INDIGO NYLON KUNG-FU DOWN JACKET & MOUNTAIN JACKET / CHAPTER ONE「その生地には秘密がある」

INDIGO NYLON KUNG-FU DOWN JACKET

http://www.headgoonie.com/items/59ead876ed05e61a86002234

 

 

HEADGOONIE 2017AWの、一番の大ボス藍染ナイロンカンフージャケットがついに販売開始

されました。

 

思えば長い道のりで、果たしてこれいつからはじめたんだろう? と思い返すと、

2015年夏。今から約2年半前まで遡ります。

 

ナイロンを藍染することはできないか? まあ、いつもの京都の染工場に頼めばできるんじゃん。

と、最初は軽いノリでめちゃくちゃ甘く考えてました。

 

こちらが僕が今から2年半前、京都の藍染の釜で染めたもの。

 

まず結論からいうと、いつもの染工場では、ナイロン100%の生地を染めることはできません

でした。

ならば60/40クロス(ナイロン60% / 綿40%の混紡生地。主にマウンテンパーカーなどに

使われることが多い)ではどうか? 綿が混紡されていれば染まるのでは? とテストしたのが

上記画像のもの。

 

確かに、確かに染めることはできました。

ディックカラーで指定した色よりも断然薄くなってしまうのは仕方がないとしても、

60/40クロスで染料が入ってウォッシュもかかると、ナイロン特有の光沢感が消えてしまい、

綿感がめっちゃ強い。。っていうか、見た目綿ですねこれ。

 

それに染工場さんがいうには、綿が入っているため確かに染まりやすいけど、

このくらい小さなカット生地ならともかく、反物で染めた場合おそらくかなりのムラが

出るだろう、ということ。

それに一番の問題は金額。京都の由緒正しき老舗染工場の藍染の大釜を動かして、高価な

クロス生地を染めると、1mあたりがとんでもない金額になってしまう。

そんな値段の生地を使って服なんてとてもじゃないけどつくれない。

 

ということで、一番真っ当なやり方である京都藍染の線はアウト。消えました。

 

 

それから数ヶ月、染めについて色々勉強してみたところ、

ただの藍染ではなく、熱と化学染料を加えた特殊な染め方があることがわかりました。

 

世の中にはいろんな色のナイロンがあります。

黒、赤や黄色やミドリやネイビーも。 アレは化学染料を使って専用の染め方で染めて

いるため、色が落ちたり経年変化することはありません。

そりゃずーっと使ってれば日焼けしたりしてみすぼらしくなったりはしますが、

デニムや藍染製品のような、楽しめる経年変化を遂げることはない。

 

僕がやりたいのは、ナイロンでありながら、デニムのように”育てる”ことができる

藍染ナイロン。

化学染料を使ってガッチリ染ったとしても、色落ちしなくては逆に困る。

それこそジーパン感覚で、使っているうちに所有者それぞれの色落ち・変化を楽しめる

ものでなければ意味がない。

 

 

次に辿りついたのは、滋賀県の某染工場。

化学繊維を染めている工場なので、それを”藍”でやってみてもらえないか?

と無理を承知でお願いしたところ、僕の熱意を組んでくれ、

やったことはないけど、やってみましょう、と言ってもらえました。

 

そして試行錯誤の末出来上がったのが、こちら。

 

ナイロンです、まさしくナイロン100%の藍染。

それも化学染料を使い一定の熱をかけて染める方法で染めているので、染料をハジくことなく

しっかり染まっている。

今回もディックカラーで指定した濃紺にはならなかったものの、まあここまで染まれば十分。

 

これでいける!

、、、と、思ったのですが、、

問題は堅牢度(けんろうど)。

 

堅牢度とは

日光,洗濯,汗,摩擦,酸,アイロン等 各種の外的条件に対する染色の丈夫さの度合。その測定,判定等についてはJIS(ジス) に規定がある。実用的には耐光堅牢度および洗濯堅牢度が重要。

 

 

たとえば、新品のジーパンをはいてると白いスニーカーが青くなりますよね。

本藍のフィッシャーマンも着てると手が青くなる。

こういうのを「堅牢度が悪い」といいます。

綿製品ならば、洗ったり着込むうちにだんだんと落ち着いてきて生地と馴染んでくれるので

問題はないのですが(逆にそこが楽しい部分でもありますよね)

ナイロンで堅牢度が悪いのは致命傷。

 

つまりこの生地、一旦染まったものの、めっちゃ色落ちしてしまうことが判明。

 

テストとして、この生地で簡単なバッグを作って、1ヶ月間くらい実際に使ってみたんですが、

ちょっとの小雨で手や衣服に色が移ってしまうし、

特になにもしていないのに、日に日に色が薄くなっていく。結果、1ヶ月後には半分くらいの

色になってしまいました。

 

これでは製品にはならない、、また振り出しに戻ってしまいました。

っていうか、かなり端折っていますがこの他にも全国各地何ヶ所もテストしていて、

この時点で莫大な、マジで莫大な開発費をかけてしまっているので、

さすがにもう諦めようか、、と思いつつ、ダメもとで研究を進めていたら、、、

 

最終的に、某県某所、とある染工場にたどり着きました。

 

藍だけではなく、いくつかの化学染料を混ぜて、一定の温度を加えながら

染める特殊な染め方法で染めていただくことができ、、、

 

完成したのが、これ!

 

せっかくなんで、MA-1などのフライトジャケットに使われるナイロンヘビーツイルを採用した

ところ、なんとまあイメージ通りの、素晴らしい藍染ナイロンをつくることに成功しました。

 

フライトジャケットに採用される肉厚で重厚感のある生地感、

藍染ならではの深みのある濃紺、

ムラもなく、堅牢度も相当強い。なんとも理想的すぎる素晴らしい完成度。

 

そして、これは、しっかり経年変化もしてくれます。

こちらが加工サンプル。

 

美しい、、、。

縫製部分に出た色のタマリ、陰影がなんとも筆舌に代え難い素晴らしさ。

まあでもこれは、バイオストーンブリーチと、かなりバリバリに加工をかけてこうなったので、

すぐにはここまではなりません。

堅牢度相当強いため、ここまで持っていくには6〜7年、、いや8〜10年はかかるかも

しれません。

それにジーパンと同じく、摩擦の強い部分に陰影がつきます。つまりポケットの出し入れが

多ければポケット上やその周囲が。ヒジや袖口など日常的に擦れる部分は特に褪色し、

10年後には所有者様だけの唯一無二の1着に育つことでしょう。

 

苦節約2年。ついに理想の生地が完成しました。

 

、、、まず生地だけで前置きが長くなってしまいましたので、、

続きます。

 

… to be continued→

 

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大八木未来

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