1955 GURUGURU ALOHA SHIRTS

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1955 GURUGURU ALOHA SHIRTS
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1955 バティック柄(通称グルグル柄)アロハシャツ、ついに復刻です。

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空飛ぶ機関車柄やチャンク花柄からの流れでこのシャツの具現化に挑んだのですが、
丸が羅列してるだけだし、正直機関車やチャンクなんかより断然簡単だろうとタカをくくっていたんですが、、すぐにカベにぶち当たりました。

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ここ。
劇中でも袖をまくっていますが、生地の裏側。裏側も表側と同じ濃紺色をしていて、うっすらと白い円形が透けて見えています。

機関車柄と、ブロックチェック柄の裏側を見てみましょう。

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機関車とブロックチェックは、裏側が白い。
つまり、白い生地の表側に柄を印刷してあるという証拠です。

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でもグルグル柄は、裏側も色があります。

ということは、今まで僕がやってきた機関車やチャンク柄のように、表面にプリントしていくわけにはいかない。もし表側に紺・白・赤を3版でプリントしていったら、袖まくりをしたとき裏側が白くなってしまう。

では、紺色の生地を購入して、その上に白と赤の2版でプリントしたら?
もし最初から紺色の生地の上に色を乗せた場合の問題点は2つ。

1つは、濃色生地に明色インクを乗せる場合、ブリード(色が負けてしまう)しないように、インクを厚めに乗せる必要があります。そうすると、油性インクプリントのTシャツのように、この円形がペタっとインクの触感のある仕上がりになってしまい、ヴィンテージアロハ的風合いからかけ離れてします。

もう1つは、上からインクを乗せたのでは、裏側から白が透けることはありません。

裏面まで白が透けているということは、考えられる製法は二つ。

一つは防染(ボウセン)。白い生地の色を染めたくない部分に蝋(ロウ)を塗り染色を防いだ上で
他の部分を染めたあとロウを溶かし、絵柄を表現する製法。
インドネシア、ジャワ島ルーツのバティックと呼ばれる製法で、日本の「絞り染」も同じ製法をとっています。
「バティック」や「絞り染め」でググると、、こんな感じの画像が見つかります。

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これはバティック。円形部分をロウで防染した上で泥染し、最後にロウを溶かせば、泥で染まらなかった部分が円形で表現されます。

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これらは日本の絞り染め。
同じくロウで円形を描いた後に藍染、最後にロウを落とせばこのような絶妙な円形柄をつくることができます。

あのグルグルシャツが撮影当時、どこかで買ってきた既製品なのか、それとも生地から制作したオリジナルなのか、今となって知る由もありませんが、
あの意味不明な円形の羅列はどうやら、バティックや絞り染めをモチーフ・ルーツにしてつくられたものだということが見えてきました。

考えれる製法二つ目は、抜染(バッセン)です。

こちらはまず一気に生地自体を藍一色に染めてしまいます。
そのあとシルクスクリーンを使い、”生地の色を抜く”特殊インクを使い、円形を表現していきます。

僕が注目したのは円形が白だけではなく赤との2色構成ということ。
白と赤をブレなく羅列した柄を表現するのであれば、バティックよりもシルクスクリーンで合わせていった方が安定するのでは、ということと、
HEADGOONIEはずーっとシルクスクリーンブランドを名乗っていますから、ここはやっぱりシルクスクリーンでやりましょう、ということで、

地染(藍染)+バッセン+手捺染 in 京都。

という製法をとることに至りました。

そして、京都へ。

地染め工程はいつもの工場じゃなかったので撮影許可が出ず撮れなかったんですが、
まず、生機(染める前の真っ白の状態)の生地を、京都の老舗工場にて藍染して深い藍色にしました。

それを、いつもの機関車柄やチャンク柄を手がけていただいている京都某所の染工場に持ち込みます。

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これは、抜染(バッセン)剤をプリントしているところ。
画像では生地が濡れたような感じになっているだけで、白くなってませんね。

バッセン剤とは、いわゆるキンパツにするときのブリーチみたいなもんで、塗っただけでは色落ちしません。このあと高温の釜に入れて熱をかけることにより、藍色がブリーチされ、白が浮かび上がってくるのです。

熱処理の前に、先に赤を入れてしまいます。

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刷ったあと触ってもインクの触感のない、完全に生地に染み込んだ馴染む特殊な染料で刷っていきます。
主に友禅などの着物を染色するときに使われる染料で、日本古来から伝わる伝統的技法です。

赤の発色の調整が、これがまた非常〜〜〜にむずかしい。

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濃紺の濃さと赤のバランスを調整すること、じつに24回!

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そしてようやく生地が完成。
この工程を知らなければ、ナンてことない柄モノ生地ですが、これだけの手間暇がかけられているんです。
インクジェットや昇華転写が支流になってきた昨今、こんなの中々ないと思います。メイドイン京都の超高級生地です。

所々均一ではなく、赤にジワ〜っと滲んでいたり、多少版ズレしている部分、こういうのが僕はたまらなく好きです。正確にやってくれる機械でつくったら絶対に出ない部分、人間の手作業だからこその”味”です。

こんな超高級生地、本当は1cmたりとも無駄にしたくはないんですが、、
このシャツは柄合わせが非常に重要です。

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こんな感じで生地に対してパターンを配置していって、いい位置にグルグルが配置されるように裁断しなくてはなりません。
本当は端っこからピッチリ詰めて裁断していけば無駄が出ないのですが、、仕方がない。

普通、たとえば30着つくるのであれば、30枚生地を重ねて裁断機でダダーっと一気に切っていくんですが、これはそういうわけで、1枚1枚パターンを配置していって手作業でカットしなくてはならず、こんな面倒な作業、大手工場では引き受けてくれなかったため、
個人でやられている小さな工房にお願いして、1枚1枚手作りで裁断、縫製していただきました。
時間がかかり、数があまりつくれなかったのも、そういう理由です。

そして、ついに完成。

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レプリカとしてだけではなく、どちらかというと今回は”アロハシャツ”としての完成度をグっとあげました。

藍染・手捺染を駆使したメイドイン京都のフルオリジナル。素材には100%天然素材のリヨセルを採用。やっぱりここまでやると値段もそれなりにはなってしまいましたが、生地や染工方法を妥協せず、古来から脈々と受け継がれる伝統的技法で制作することにより、50年後100年後でも、ヴィンテージアロハとして高く評価されるレベルのものに仕上がったと思います。

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着用モデル(男性) 174cmでMサイズを着用。

劇中のようにジャストくらいで着て袖まくり、ジーパン&コンバースが基本スタイルですね。

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着用モデル(女性)155cm 同じくMサイズ着用。

あえてオーバーサイズをラフにガバっと着るのも良いと思います。
NEVERLAND POCKET T-shirtsと重ね着、下に着てるTシャツと一緒に袖まくり、完璧です。
女の子がスニーカーやケミカルデニムと合わせて普通に着てもかわいいです。

長くなりましたが、アロハシャツとして後世に遺るクオリティーのものが出来上がったと思います。
WEBSHOPにて販売開始しました。今回が最後の入荷です。
よろしくお願いいたします。

HEADGOONIE
大八木未来

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