データコート考察2018年版。その3

1985 ADEVNTURE ARMY COAT

https://headgoonie.com/items/5a91342727d1cc1ad1003a43

大阪WARP
http://warp.shop-pro.jp/?pid=128788818

札幌 Adore
https://www.adore-snowcity.com/catalog/product_info.php?products_id=11356

データコート考察2018年版その1。もう一人のグーニーズメンバーの存在。
http://headgooniebookstore.jp/blog/datacoat_2018/

データコート考察2018年版その2。製作秘話(加筆・更新版)
http://headgooniebookstore.jp/blog/datacoat2018_2/

製作秘話に続き、本体のディテールについて。



今回更新された9種も含め、全27種のワッペンが装着されています。

ファーストモデル(2011年版)は、まだ縫製工場の知り合いが少なく、27個ものワッペンを縫いつけてくれる工場に出会えず、、なんと全部自分で手縫(!)することにしました。
もちろん1人では無理で、当時のパタンナーや用賀の近所のオバチャンたちにも手伝ってもらって、朝から晩までチクチクチクチクやってました。それでも2〜3週間かかったような。。もう思い出したくもない悪夢。
後半、僕は仮病つかったりしてかなりサボりましたが、それでもタッチパネルが反応しなくなるほど、指先がガッチガチに固まってしまったことを忘れられません。。

もしもう一度、このワッペンを全部手縫しろと言われたら絶対に復刻していませんでした。。
あれから縫製工場の知り合いも増え、知人の知人をあたっていくうちに遂に昨年広島で、
つけてもいいですよ、と言ってくれる工場さんと出会えました。
(ただし、この工場は少人数でやっている手作り工房のようなところで、逆に50着100着と言われたらできない、20〜30着程度ならやります、ということで交渉が成立しました)

バックスタイル。

バックはシンプルにワッペンは付きません。
もうすぐ発売になる”あのリュック”がここに装着される”シカケ”になっているからです。
(”あのリュック”についてはまた追々)

「データコートは具現化不可能」と言われていた理由は3つありました。
1つは前述したVHS,DVDではワッペンのデザイン解析が不可能であったこと。
これは前回のブログで説明した通り、ブルーレイの登場によりクリアになりました。

そして2つ目は物理的問題。
ワッペンというのはどうやってつくられているかご存知でしょうか。

いまやコンピュータミシンでガガーっとやっちゃえば簡単なのかもしれませんが、昔ながらの味のある製法で制作するには、1種類制作するために「型(かた)」というものを起こさなくてはならないんです。
Tシャツで言うところのシルクスクリーンのようなもの。この型代がバカ高い。
糸の密度やデザインの緻密さによってピンキリですが、バカ高い型代x27種分も、とてもじゃないけど払えない。
なんとか支払ったとしても、売っても売っても赤字になるか、もしくは1着あたりがアホみたいな金額になってしまうことでしょう。

そこで僕が編み出した方法は、すごく無茶な製法ですが、
1枚1枚、手作業で制作するという方法。

画像でお分かりでしょうか。
通常、おそらくこの世にあるワッペンのほとんどは、ポリエステルの生地・糸でできています。
しかしこのコートのワッペンは、綿生地・綿糸でつくられているのです。

つまり、型を起こして専用の機械でガガーっとポリエステルxポリ糸で製造するのではなく、
綿の生地を買ってきて、それらを1枚1枚ハンドカット。
職人が1枚1枚手作業でミシンを動かし、綿糸で刺繍していくという、かなり無茶な製法。
(僕の無茶なお願いを聞いてくれた某刺繍工場さんに感謝します!)

型の問題もそうですが、綿生地・綿糸を使うメリットは、
このコートは後染めを加えるため、ポリワッペンでは染料が浸透せず、良い味が出ないんです。
綿生地・綿糸にすることにより、最終工程でコートを初めた時ワッペンも一緒に染まってくれて、
データが着込んだような”あの味”をコート全体から醸し出すことができる、という意味もあります。

そして3つ目は、取り付けの問題。
前回は手縫で強引にクリアしましたが、もうその根性は僕にはなく、、、
前述した広島の工場さんの協力により、少量生産なら、ということで27種すべて取り付けてもらえることになりました。

この大きな3つの問題をクリアしたことにより、
30年前の伝説、80sキッズたちの憧れのコートを現代に蘇らせることに成功したのです。

映画で使われていたコートは、おそらく70s米軍のもの。
ファーストモデルは、どちらかというとオリジナル軍モノに色を近づけたため、完全なアーミーグリーンをしていました。
前のブログにも書きましたが、冒頭シーンではほぼチャコールグレーをしていて、マイキーの家のシーンでは完全なアーミーグリーン、洞窟に入ってからは墨色が強まるこのコート、
撮影用に何着も用意されていて、ベースのコートはユーズドのものだったため、色が安定していなくて、グレーっぽいもの、グリーンぽいもの、汚れの強いものなど色々あったんだと思います。
つまりデータコートの色には「正解」はないんです。

なので今回はそれらのすべて”中間”を取り、アーミーグリーンとチャコールの合いの子「サビグリーン」というミドリがサビたようなコーマウェザー生地を採用し、最終工程として全体に墨ブラック染めをかけました。
(バイオウォッシュで風合いも出しています)
結果、グリーンがサビたような、若干汚れたようなベストな色で再現することに成功しました。
どちらかというと、洞窟に入ってからの色に近くなっています。

着用例。

僕大八木182cm/68kgが着用しています。

これがまた、案外普段着いけるんです。
データが下にシャツ+スウェットを着ていたので、僕もそうやって着てみました。

パンツはクロップドなどのワイドなものより、トレジャーハンターなどの細身の方が合いますね。
その場しのぎでNBはきましたが、スニーカーでも全然合う。

お届けが初春なので、スプリングコートとしても、秋口〜冬にかけてウィンターコートとしても、
真夏以外のシーズン、普通に普段着として使っても全然ありだと思います。

実際、映画では(子供が着ているのもあり、)くるぶし丈くらいの超ロング丈なんですが、
そこまでのロングだとアレなんで、ヒザ丈くらいのミドル丈にアレンジしました。
バカみたいな大きさの軍モノからアレンジし、身幅、アームホール、袖幅、肩幅もギュっと絞り、
普通のトレンチコート的な上品なシルエットに仕上げています。

ワルガキが着ているイメージは残したかったので、袖丈だけかなり長め(70cm)に設定し、
約2回ほどまくれば丁度良い長さになるようになっています。

僕が着てこの普通な感じですから、女の子が着たらちょうどデータっぽくなると思います。

前回のブログで紹介した通り、オレゴンに1着、ヨーロッパに1着そしてニューヨークに1着ずつ、そして大阪に1着、
コアなマニアが自力でつくったデータコートが存在しますが、
これらはすべて個人制作のため、”加工”が施されていません。ワッペンもおそらくポリ製でしょう。
ハンドワークで綿素材ワッペン、そして日本の技術で染め・ユーズド加工が施されたHEADGOONIEのデータコートは、間違いなく世界水準No.1のクオリティーだと断言できます。

普段着として普通に着るも良し、コレクションとしてショーケースに飾るも良し。
日本の技術を駆使して現代に蘇った伝説のコート、ぜひこの機会に入手しておいてください。

WEBSHOP&取扱店にて販売開始です。
大阪WARP、札幌Adoreにも入荷しています。お近くの方はぜひ店頭で実物の迫力を体感してください。
よろしくお願いいたします。

HEADGOONIE
大八木未来

https://headgoonie.com/